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「福留貴美子拉致事件」に関する私たちの見解
ー「もう一つの拉致」を煽るマスコミー
いま関西TVのねつ造番組垂れ流しが事件化されるなどモラル感覚のマヒしたマスコミに対する社会のきびしい眼が向けられています。そのような中で昨年末以来、TBSを皮切りに、TV、雑誌などマスコミを通じて、私たちの一員であった岡本武の夫人、福留貴美子さんが実は拉致被害者だったという「もう一つの拉致」事件が大々的に報道され、今も執ように続いています。私たちは当人自身と生活を共にし事実を知る当事者として、これもまた重大なねつ造報道であることを訴えたいと思います。
事の発端は、福留さんの出身地でもない無関係の「拉致被害者家族を救う会・神奈川」がまず動き、これを受けて「救う会・高知」が高知県警に「もう一つの拉致」として訴え、これが受理されたことですが、これ以降、一気にマスコミの宣伝攻勢が開始されました。
「正論」など、ハナから「反北朝鮮」のためのような記事にはいちいち反論する必要も感じませんが、「週刊AERA」や「報道のTBS」といったリベラル、良識派と言われる媒体までがまじめに取り上げるとなると、国民世論に与える影響力からして事態の重大性を感じ、真実を明らかにするため文書の形で公表するに至った次第です。
■「拉致」の根拠は?
福留貴美子さんが北朝鮮に拉致されたという唯一の根拠は、「だまされて連れて行かれた」というものです。「モンゴルに行くはずだったのにここ(北朝鮮)に来てしまった」と福留さん本人から聞いたという「八尾恵証言」に由来するものですが、この根拠自体が理知に合わないものです。
モンゴル観光と朝鮮(北朝鮮)渡航とどちらが困難かと言えば、常識的には朝鮮渡航の方が困難です。朝鮮観光も可能な現在と異なり、当時の日本のパスポートには「except North Korea」と明記され、一般の日本人がとうてい行けない国交のない国、それが朝鮮でした。通常のパスポートで行けば、「旅券法違反の罪」に問われるリスクを背負うのです。そんなリスク覚悟で朝鮮行きを決心するのは、よほど本人の強い目的と意思がないかぎり不可能です。誘われたからとおいそれと行く気になれる国ではなかったはずです。かたやモンゴルは社会主義国とはいえ、ソ連同様に国交もあり観光旅行も可能な国、金さえ出せば誰でも行ける国です。記事通り実家が地方の資産家だとすれば、福留さんが何がなんでも行きたい国だというモンゴルへの観光はけっして困難だとは思われません。自分でも行けるのに、「国禁」を犯すリスクを負ってまで「北朝鮮経由でモンゴル観光」など、誰が考えるでしょうか。
またひとつの疑問は、「拉致された」という福留さんが80年3月に日本に入国し、かなりの長期間、滞在しているという事実です。
横浜で友人にも会い(「AERA」)という「子供人質」説で簡単に否定されています。しかしだまされて北朝鮮に連れて行かれたという人が、「自由の身」になった母国、日本に入国した絶好の機会に、誰にもその理不尽な境遇を訴えないということの方が不自然ではないでしょうか。子供の身を案じたとしても、「拉致」を訴えたことを秘匿することに警察は協力してくれるはずです。「監視」がついていたといのもいかにもの話ですが、一人の人を24時間「監視」するというのはほぼ不可能に近いことではないでしょうか。また、彼女はそんな労力を払ってまでして「工作」させるほどの重要な工作員だったのでしょうか。
■漁船で逃亡企画?
「(岡本夫妻は)漁師に酒を飲ませて酔わせ、漁船を奪って逃亡を図り、北朝鮮当局に捕まった」、今も強制収容所にいる、だから救出を、と記事は訴えています。これも「八尾恵証言」に基づくものとのことです。
おそらく東海岸での話だと思いますが、海辺には家族連れで行って2人の娘も同行しており、ピョンヤンに家族連れで帰ってきています。ですから逃亡中の海上で「北朝鮮当局に捕まった」という話は明かな嘘です。
また船には素人の岡本夫妻が「漁船を奪って逃亡を図る」などという筋立て自体が不自然です。ましてや海とはいえ今も「戦争状態」同然の朝鮮には南北軍事境界線があり、それを突破しての逃亡は、一触即発の軍事対決の最前線に突っ込み、自ら銃火を受ける危険を伴います。漁師と一緒に酒を飲んでいたという話は聞いたことがありますが、おそらくそれを小耳にはさんだことから発した「八尾恵証言」だろうと思います。朝鮮の現実からは考えられないことです。
「AERA」の記事の結論として「救出」を訴える必要から出たことだと思いますが、この「漁船逃亡」説には明らかに蛇足と言える尾ひれがつけられています。
「(岡本夫妻は)逃亡を企てたが拘束され、収容所に入れられた。私が保証金を払って助け出し、現在は地方の外国語学院で日本語教師をしている」と証言した国会議員元秘書なる人物がいるというのです。一介の日本人が国交のない朝鮮で、しかも所在さえ不明の「収容所」に保証金を払って救出したなどという妄言にどれほどの信憑性があるのでしょうか。こんな蛇足までつけ加えねばならない「AERA」記事自体の信憑性が疑われるものです。
■明かなねつ造写真は?
さらに「AERA」1月16日号の同記事にはねつ造が明かな写真が堂々と掲載されています。
1986年にウィーンで撮影されたという土井たか子元社会党委員長を囲むその写真の中に、私たちに合流した小川淳がいるという説明が付けられています。しかし、写真で指摘された人物は小川ではなく別人であり、土井氏には会ったこともないと当の小川淳が明言しています。これは「AERA」の明かな失態です。
これは肖像権という人権侵害問題でもあります。同誌の福留さんの記事に小川のことはなにも触れたものはないのに、わざわざ小川のねつ造写真まで掲載した嘘はいったいなんのためなのか勘ぐらざるをえません。写真には「よど号に合流したナゾの人物」として小川淳の説明が付けられていますが、また「もう一つの拉致」を暗示しようということなのでしょうか。
■真実追究と良心を
「AERA」のこの記事を担当する同編集部K記者には私たちがピョンヤンで会っています。記事にもそのことが触れられています。K記者は身分を偽り、同行のNGO関係者は会見の席をホテルの外国人専用の、すなわち朝鮮の人が出入りしない地下のカラオケ個室に設けました。なにか怪しげな「会見」であったことを記憶しています。案の定、記事には、「2人を短髪に白のスーツ、鋭い目の大柄な男が待っていた」といかにもの表現がありますが、代表団の要請で正式に会見するのですから案内人がつくのは朝鮮では通常のことで、その人は短髪でも白スーツでも鋭い目でもなかったと思います。また「2人は高級外車に乗り込み」とK記者は書いていますが、私たちは自家用の中古の白のコロナを自分たちで運転して帰っただけです。こうした取材の仕方、こうした記事の書き方を平気でできる人が「拉致被害者の味方」であることは、ご本人たちにとっても不幸なことだと思います。福留さんのお母さんにも生前、取材したようですが、お母さんが生きておられたらこのような記事が書けたのかどうか疑問です。
最後にマスコミ関係者んは、国民世論をつくる責任を負うだけの自覚と覚悟、何よりも真実のみを追究する職業的自負心と、そして良心を望みたいと思います。
2007年3月 ピョンヤン かりの会
…「かりの会」は「(日本人)狩りの会」と改名すべし!!
http://blue.ap.teacup.com/kumagawanaotaka/
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